電動歯ブラシってどうですか?

こんにちは。副院長の小林です。
今日は電動歯ブラシについてです。

メインテナンスをしていると患者さんから「電動歯ブラシはどうですか?」と、よく聞かれます。

結論から言うと、最近の電動歯ブラシはとても良いと思います。

私自身、過去に電動歯ブラシはフィリップスのソニケア、パナソニックのドルツ、GCのプリニアなど色々と使用したことがありますが、最近ブラウンのオーラルBを初めて使用して、その使用感の良さに驚きました。

手でのブラッシングを上手にできる人は手で磨く方が細かい動きや歯の形・場所に合わせた動きができるので、手で磨く方がしっかりと磨けるかもしれません。
しかし、手を細かく動かしてブラッシングすることが苦手な方にはおすすめです。
また、最近のものは過圧防止のセンサーがついているので、ブラッシング圧が強くなりやすい方にもおすすめです。

電動歯ブラシは、例えば今使っているオーラルBは高速上下運動と左右反転運動によって歯面に当てるだけでプラークをしっかり除去してくれます。
ソニケアは高速振動でブラッシングを補助してくれますし、ドルツやプリニアも、新しいものでは高速振動+細かい横磨きでオーラルBのように歯面に当てるだけでプラークを除去してくれます。

電動歯ブラシの利点は多くの人が比較的短時間で同じようにプラークを除去できることではないかと思います。

もちろん手磨きが上手な人にとってはやはり手磨きが一番だと思いますが、ブラッシングが苦手な人でもブラッシングがそこそこ上手な人と同じくらいまでプラークが除去できるなら、電動歯ブラシの使用はとても有効ですよね。

歯ブラシが苦手ではなくても朝や日中の忙しい時間に短時間で効率よく磨くには電動歯ブラシはとても優れていると思います。

朝の忙しい時間に電動歯ブラシを使用して、夜はじっくり手でブラッシングをするというのが最近の私のお気に入りの使い方です。
携帯用ケースもついているので昼の手磨きを電動に変えてもいいかもしれませんね。

電動歯ブラシを使用する際は、歯磨きペーストは電動歯ブラシ用の低研磨性のペーストか、研磨剤が含まれないジェルタイプの物を使用してくださいね。

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Invisalign Go Forum

こんにちは。今回は久しぶりにセミナー関連の記事です。

今月はじめ、日本で初めて行われるInvisalign Go Forum に参加するため、虎ノ門ヒルズへ行きました。

invisalign go(インビザライン Go)は以前このブログで紹介したiGoと同じもので、前方部の歯に限局した最新の歯科矯正システムです。(その時の記事がこちら→『iGoシステムの説明会』)

インビザラインGo

インビザラインGoは大臼歯を動かさない矯正なのでケースは限られますが、従来の歯科矯正とは違い透明のマウスピースを使って歯を動かすので、目立たず違和感も少なくなっています。
また、全顎矯正と比べると費用もかなり抑えることができるため、大臼歯を動かす必要がないケースではとても良い治療法だと思います。

今回のフォーラムでは日本だけでなくイギリス、タイ、中国、ニュージーランドなど様々な国の先生が演者として参加し、臨床ケースを交えながらインビザラインGoの可能性について説明してくれました。

特に審美歯科などで被せ物の治療前のアプローチとしてインビザラインGoを行うケースが多く発表されていました。

被せ物をする際、歯並びによっては通常よりたくさん歯を削ったり、歯の神経を取らなくてはいけなくなることもあります。
また、場合によっては歯並びを治すために健康な歯を全て削って被せ物をして治す方法をとることもあります。

しかし前処置として矯正を行うことで多く削ったり神経を取ったりなどの歯への負担を減らし、より審美的に治すことができるケースは多くあります。
歯を削ったり、神経を取ることは歯の寿命を短くしてしまうのでキレイな歯を長持ちさせるためには矯正での前処置はとても意義のあることです。

従来の矯正は装置が目立つ、装置が邪魔で唇など粘膜に痛みが出る、専門性が高いなどの理由から被せ物の前処置としてはハードルが高かったのですが、インビザラインGoの出現によりそのハードルは格段に下がったと思います。

午後はi tero element という口腔内スキャナーについての講演でした。
口腔内スキャナーは通常被せ物や詰め物の型取りの代わりに基本的に使うものですが、i tero elementは矯正治療にはもちろんのこと、虫歯の診断や歯ぐき、噛み合わせの状態やそれらの経年変化も観察することができ、新しい診断ツールとして利用できるとのことで、とても興味が湧きました。

最後にインビザラインを運営するアライン・テクノロジー社の社長が今後の展望について話していました。

顔写真を撮るだけで歯科矯正した場合のスマイルと歯科矯正に加えて審美修復した場合のスマイルを比較できるといった、治療前に患者さんと最終的なイメージを共有出来るようになるツールを作成中だそうで、今後の進展が楽しみです。

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大人のむし歯3

前回(「大人のむし歯2」)、前々回(「大人のむし歯1」)に引き続き、今回も大人のむし歯についてです。

 

<二次う蝕が多い>

むし歯を治療して被せたり詰め物をしたりした部分に再びできるむし歯を二次う蝕といいます。

患者さんから「治療した歯はもうむし歯にならないと思っていた」と言われることがありますが、実は歯科に治療に来ている方の多くは再治療です。

予防歯科先進国であるスウェーデンにあるイエテボリ大学のアクセルソン教授の研究によれば、300人以上の患者さんを30年間メインテナンスし、その間に患者さんにできたむし歯について調べてみると約80%が二次う蝕だったそうです。

今回は大人のむし歯として二次う蝕を紹介してはいますが、子供でもむし歯治療済みの歯が多くある場合には二次う蝕になることが多いです。

 

被せ物や詰め物と歯の間には見た目には分からなくても段差が出来てしまいます。また、詰め物などの材料の劣化によって歯と詰め物の間に目に見えない隙間ができることもあります。

もともと歯ブラシがうまく当たらずプラークが蓄積してむし歯ができている部分なので、詰め物で段差や隙間ができるとさらにプラークが蓄積しやすくなり、再びむし歯となってしまうのです。

青い丸の部分はプラスチックの詰め物が劣化して内部が二次う蝕になっている。緑の丸の部分は金属のインレー(詰め物)の下に二次う蝕ができている。

 

従来はむし歯の早期発見・早期治療が重要だとされていましたが、長期的に見ると、むし歯 → 治療 → 二次う蝕 → 治療 →・・・という負のスパイラルに陥るおそれがあります。

むし歯による負のスパイラル。むし歯になった歯は治療をしても元に戻るわけではないため、負のスパイラルに陥れば最終的には抜歯に至ることも・・・

そのため現在では予防やメインテナンスでの管理を重視する方向へシフトしています。

 

大人のむし歯について3回にかけて書きましたがいかがでしたでしょうか?

最近はメディアなどでは歯周病について取り上げられることが多いため、大人になるとむし歯よりも歯周病に注目しがちですが、むし歯が原因で来院される患者さんは歯周病が気になると言って来院される方よりもはるかに多いです。

むし歯は患者さんが目に見えて「むし歯だ」と分かる状態になったときにはかなり進行していることが多いため、歯周病同様に定期的にメインテナンスをしてしっかり予防していくことをおすすめします。

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大人のむし歯2

前回(「大人のむし歯1」)に引き続き、今回も大人のむし歯についてです。

 

<根面う蝕は大人に特有のむし歯>

むし歯の好発部位(できやすい場所)は”小窩裂溝”と”隣接面”と”歯頚部”です。

これは子供も大人も共通で、歯の形態上、歯ブラシが当たりづらく、プラークが溜まりやすい部分であるためです。

う蝕好発部位

大人のむし歯の後発部位はこの3か所にさらに”歯根面”が加わります。

この歯根の表面のむし歯が「根面う蝕」です。

露出した歯根面
歯根の表面はセメント質で覆われているか、象牙質がむき出しになっている。
黄色い丸で囲まれた部分が根面う蝕。歯冠のエナメル質にはむし歯がないが、歯ぐきが下がって露出した歯根面がむし歯になっている。

歯根はセメント質で覆われているか、表面のセメント質がすり減って象牙質がむき出しになっていますが、セメント質や象牙質は歯冠のエナメル質と比べて柔らかく酸に弱いのです。

健康な状態では歯根は歯ぐきに覆われていますが、歯周病で歯槽骨が溶かされたり、長期にわたって強すぎるブラッシング圧がかかったり、歯ぎしり・食いしばりのように歯に過度な力が加わったりすると歯ぐきが下がり歯根面が露出します。

この歯根面が露出した部分は ①歯ブラシが届きづらくプラークが溜まりやすい、②表面のセメント質や象牙質は酸に弱い、などといった理由からむし歯ができやすいのです。

子供で歯根の露出が見られることはほとんどないため、根面う蝕は大人のむし歯であるとされます。

また、年齢を重ねていくと口腔機能の低下や薬の副作用などによって唾液の量が減り自浄作用(口の中をきれいに保とうとする作用)が弱まるため、根面う蝕が多発するケースもあり注意が必要です。

 

大人のむし歯3へ続く・・・

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大人のむし歯1

以前、子供のむし歯予防について(→「お子さんのむし歯予防のために①」「お子さんのむし歯予防のために②」)と、「どうやってむし歯ができるのか」について書きましたが、今回は大人のむし歯について少し書きたいと思います。(以下文中の「う蝕(うしょく)」とは「むし歯」のことです)

 

<大人のむし歯は慢性う蝕が多い>

子供のむし歯は急性う蝕が多く、その場合、むし歯は急速に進行して気付いた時には歯髄(神経)付近まで進んでいることがよくあります。

しかし、大人のむし歯は慢性う蝕といってゆっくりと進行することが多く、エナメル質の下で横方向に拡大するため、深くはないですが見かけよりも大きく広がっていることがあります。

急性う蝕と慢性う蝕の違いは以下のようになります。

急性う蝕慢性う蝕
年齢若年者に多い中高年に多い
むし歯部分の色淡黄色褐色~黒褐色
軟化象牙質(※)多い比較的少ない
進行形態穿通性

急速に細く深く進行
穿下性

深部で徐々に横に広がる

※ 軟化象牙質・・・むし歯で溶かされて柔らかくなった象牙質

 

むし歯の進行速度や進行形態には歯質の成熟度が関連しています。

乳歯や生えたばかりの永久歯は歯質が未熟であるため、成熟した永久歯と比べるとむし歯になりやすく深くまで進行しやすいのです。

歯質が成熟するのは歯が生えてから3年ほどといわれているため、20歳頃まではむし歯ができやすい時期とされています。

 

大人のむし歯2へ続く・・・

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Nd:YAGレーザーセミナー

こんにちは。谷川歯科医院 副院長の小林です。

先週末にインサイシブジャパン主催のNd:YAG(ネオジム・ヤグ)レーザーのセミナーに参加してきました。

Nd:YAGレーザーは軟組織の切除や止血、歯肉の整形、メラニン色素沈着の除去などに使われるレーザーです。

レーザーセミナーは3回目なのですが、今回の演者は福岡市で開業されている古賀先生でした。

古賀先生は福岡大学の口腔外科出身の先生なのですが、セミナーでは口腔外科の処置におけるレーザーの活用方法を多数紹介されていました。

血管腫、上唇小帯の切除、口腔前庭拡張術などについて、オペ中の動画を交えてお話されていたので、本を見ただけでは分かりにくい部分もとても分かりやすかったです。

セミナー後半では豚の頭を使って、タコの吸盤を腫瘍に見立てて腫瘍の摘出を行ったり口腔前庭拡張術のデモをしたりしていて、多少専門的な内容ではありましたがとても勉強になりました。

Nd:YAGレーザーを使用することで出血や術後の痛みを減らすことができるので、より患者さんに優しい治療につながりそうです。

小林一久

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EMS社 SDAセミナー

こんにちは。

GW前の話ですが、スイスの歯科機器メーカーであるEMS社主催のSDA(SWISS DENTAL ACADEMY)セミナーを受講し、従来とは異なる新しいメインテナンス方法であるGBT(GUIDED BIOFILM THERAPY)についての話を聞きました。

GBTでは口腔内の評価後にまずバイオフィルムを染め出してそれを目安(ガイド)として歯面清掃をおこなうことでオーバーインスツルメンテーション(歯面清掃による過度な侵襲)を防ぐことができ、効率的な清掃ができるそうです。

歯の表面の強固なステイン(着色)を除去するために使用するエアフローという機器をご存じでしょうか?

強固なステインを除去するには粒子の粗いパウダーを歯の表面に吹き付けるのですが、そうすると歯面に目に見えない細かいキズがつき、それをブラシやラバーカップを使って磨くのが大変です。

GBTではバイオフィルムや早期歯石の除去にエアフローを使用するのですが、その際に使用するパウダーがステイン除去に使用するものとは異なり超微細な粒子のものなので、歯や歯肉を傷つけずに歯面清掃ができるそうです。

個人的には、エアフローを使うと今まで器具が届きにくかった歯と歯の間などの清掃がしやすくなるということが大きな利点であると思っています。

細かい部分を簡単に清掃できると侵襲も軽減でき、治療時間も短縮できます。

治療時間が短縮できればその分の時間を説明などにあてることもできるので有意義な時間が増えることがうれしいところです。

小林一久

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2年ぶりの登山

こんにちは。

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか?

私は大谷先生から誘っていただいて2年ぶりに登山へ行ってきました。(2年前の登山の記事はこちら→『登山初挑戦!』)

山登りは2年ぶりで2回目であるということに加え、相変わらず慢性的に運動不足ですので、事前に仕入れた ”階段をたくさん上る” という情報を基に、日常生活で少し階段の上り下りを増やして体を階段に慣らしてから参加しました。

今回は神奈川県伊勢原市にある大山という山へ行きました。

大山は丹沢大山国定公園にあり、ミシュラングリーンガイドでも紹介されている山なので、海外の方も多く登山客であふれていました。

途中までケーブルカーがあるのですが、せっかくだからケーブルカーには乗らずに歩いて行こうということで徒歩で入山しました。

登りはケーブルカーは使わず

大山の山頂からの眺めは「かながわの景勝50選」に選ばれているそうで、中腹あたりの景勝地は先程も書いたようにミシュラングリーンガイドで紹介されるほど眺望が良いです。

しかし予想以上に階段が多く上るのに必死で、行きの登りの間は足元しか見えず、そういった素晴らしい眺望を楽しむ余裕もありませんでした。

 

なんとか無事に登頂でき、帰りは少し余裕が出たのでようやく景色を楽しみながら下山することができました。

今回の登山も事前準備はあまり意味がなかったのではないかというくらい私にとってはハードな道のりでしたが、それでも自然の中を歩くのはやはり気持ちの良いものでした。

企画してくださった大谷先生、ありがとうございました。

小林一久

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バイオガイアアカデミーパーティー2019

こんにちは。副院長の小林です。

先週末にバイオガイアアカデミーのパーティーに参加しました。

 

以前当ブログで書きましたが、バイオガイアはロイテリ菌をつかった予防医療であるバクテリアセラピーの臨床実用化を進めているスウェーデンの会社です。(その時の記事はこちら→『バクテリアセラピストの認定書が届きました』)

パーティーではスウェーデン料理をビュッフェ形式でいただきながら、和やかな雰囲気の中でバクテリアセラピストの先生の症例報告やバイオガイアアカデミー名誉校長である鴨井教授の基調講演を聴きました。

色々な大学病院の教授が来賓としていらして席をご一緒させていただきましたが、その中に母校でお世話になった教授もいらっしゃって、ロイテリ菌の可能性についての話を聞かせていただくことができました。

また、同席した他院の歯科衛生士の方々とも様々な意見交換ができました。

普段のセミナーではゆっくり食事を楽しみながら講演を聴いたり他院の方々とお話する機会はあまりないので、新鮮な気分で楽しむことができたパーティーでした。

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クラウン・ブリッジ学生実習

こんにちは。副院長の小林です。

以前、一度このブログで書いたことがあるのですが、私は毎年4月~7月に母校の学生実習のお手伝いをしています。(その時の記事はこちら→『今年も学生実習に参加しました』

今年度も先週から学生実習がはじまり、久しぶりに週1回大学へ通っています。

昨年秋に母校が新校舎に移転(と言っても場所はほぼ変わりませんが)したので実習も新しい校舎で行なっていますが、まだどこに何があるか分からず、母校であるにもかかわらず迷子になってしまいそうです。

実習の内容は昨年と変わりはなく、他の兼任講師も昨年とほぼ同じ先生方なのですが、新しい校舎になっただけでまるで新しいことを始めるかのような緊張を少し感じます。

はじめは歯を削る実習なので、学生たちは今は一生懸命マネキンを使って模型の歯を削っています。

一生懸命な学生の姿を見ると初心にかえる思いです。

今年度もまた3か月半ほど頑張ります。

小林一久

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