EMS社 SDAセミナー

こんにちは。

GW前の話ですが、スイスの歯科機器メーカーであるEMS社主催のSDA(SWISS DENTAL ACADEMY)セミナーを受講し、従来とは異なる新しいメインテナンス方法であるGBT(GUIDED BIOFILM THERAPY)についての話を聞きました。

GBTでは口腔内の評価後にまずバイオフィルムを染め出してそれを目安(ガイド)として歯面清掃をおこなうことでオーバーインスツルメンテーション(歯面清掃による過度な侵襲)を防ぐことができ、効率的な清掃ができるそうです。

歯の表面の強固なステイン(着色)を除去するために使用するエアフローという機器をご存じでしょうか?

強固なステインを除去するには粒子の粗いパウダーを歯の表面に吹き付けるのですが、そうすると歯面に目に見えない細かいキズがつき、それをブラシやラバーカップを使って磨くのが大変です。

GBTではバイオフィルムや早期歯石の除去にエアフローを使用するのですが、その際に使用するパウダーがステイン除去に使用するものとは異なり超微細な粒子のものなので、歯や歯肉を傷つけずに歯面清掃ができるそうです。

個人的には、エアフローを使うと今まで器具が届きにくかった歯と歯の間などの清掃がしやすくなるということが大きな利点であると思っています。

細かい部分を簡単に清掃できると侵襲も軽減でき、治療時間も短縮できます。

治療時間が短縮できればその分の時間を説明などにあてることもできるので有意義な時間が増えることがうれしいところです。

小林一久

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バイオガイアアカデミーパーティー2019

こんにちは。副院長の小林です。

先週末にバイオガイアアカデミーのパーティーに参加しました。

 

以前当ブログで書きましたが、バイオガイアはロイテリ菌をつかった予防医療であるバクテリアセラピーの臨床実用化を進めているスウェーデンの会社です。(その時の記事はこちら→『バクテリアセラピストの認定書が届きました』)

パーティーではスウェーデン料理をビュッフェ形式でいただきながら、和やかな雰囲気の中でバクテリアセラピストの先生の症例報告やバイオガイアアカデミー名誉校長である鴨井教授の基調講演を聴きました。

色々な大学病院の教授が来賓としていらして席をご一緒させていただきましたが、その中に母校でお世話になった教授もいらっしゃって、ロイテリ菌の可能性についての話を聞かせていただくことができました。

また、同席した他院の歯科衛生士の方々とも様々な意見交換ができました。

普段のセミナーではゆっくり食事を楽しみながら講演を聴いたり他院の方々とお話する機会はあまりないので、新鮮な気分で楽しむことができたパーティーでした。

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食後すぐの歯ブラシについて

こんにちは。久しぶりに更新します。

2019年はじめの投稿は食後の歯ブラシについてです。

最近インターネット等で『食後にすぐ歯を磨くことは古い考えで歯が削れてしまったりするので絶対にしてはいけません。食後30分以上してから磨くのが新しい常識です。』などと書かれている文章を見かけることがあります。

これについては専門家の間でも意見が割れており、様々な場面で議論がなされています。

なぜこのような議論がなされているかというと下記論文を参考に人によって様々な解釈をしているからではないかと思われます。

Brushing abrasion of softened and remineralised dentin: an in situ study. 2004 Jan-Feb;38(1):62-6.

この論文は歯の内部の構造である象牙質を炭酸飲料(スプライト)に90秒漬けてその後口の中に戻し、何分後に磨くといいのかを調べた実験です。

結論は『象牙質が露出している歯に酸性飲食物を摂取した場合は少なくとも30分間、歯ブラシしないほうがいいでしょう』と書いてあります。

この論文のよく取り上げられているところは結論後半部分の、『飲食物を摂取した場合は少なくとも30分歯ブラシしないほうがいいでしょう』のところです。

しかし実は『象牙質が露出している歯に酸性飲食物を摂取した場合』といった記述が前半にはあるのです。

酸蝕症(炭酸飲料、柑橘類や酢などの摂取、逆流性食道炎、嘔吐の習慣などによって歯が溶けてしまっている状態)などで歯の表面のエナメル質が溶けて象牙質がむき出しになった患者さんを例とした実験で、健康な歯で炭酸飲料を口の中に90秒貯めてから飲むようなことを日常的にしなければそこまで問題ないと思われます。

現在日本歯科保存学会、日本小児歯科学会、日本口腔衛生学会、日本学校歯科医会ではほぼ同一見解を示しています。

日本歯科保存学会のステートメントは下記の通りです。

食後の歯磨きについては、歯のう蝕(ムシ歯)予防の見地から、これまで一般的に推奨されてきた通り、食後の早い時間内に行なうことをお薦めします。ただし、酸性の強い飲料などの飲食物を摂った場合には、歯の酸蝕(酸によって歯の表面が溶けること)に留意して歯みがきすることをお薦めします(なお、「酸性飲食物を摂取後30 分間は歯磨きを避けるべき」ということの確認はできていません)。

当院では上記理由より従来通り食後すぐの歯ブラシを推奨していますが、酸蝕症の方はこの限りではないので気になる方はご相談ください。

小林一久

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バクテリアセラピストの認定書が届きました

お久しぶりです。

谷川歯科医院の小林一久です。

先日バイオガイア社主催のバクテリアセラピーのセミナーに参加してきました。

バイオガイア社はスウェーデンのバイオテクノロジー企業です。その歯科部門の東京支社に行ってきました。

歯科のセミナーでは珍しく家一軒がセミナーハウスになっていました。家の内装も全てがスウェーデンらしくなっていました。(行ったことないですが…)

 

バクテリアセラピーとは人間の体内に健康状態を左右する菌が存在していて、それらのバランスや質を改善する事で病気の予防や改善を目指すという考え方です。

微生物である善玉菌を利用して歯周病、虫歯の細菌を減らそうという今までの予防方法とは違った角度からの治療方法です。

従来細菌を減らすとなると抗生物質(アンチバイオティクス)を用いて細菌を急激に減らしていました。がそれは同時に善玉菌も減らしたり、薬剤が効かない耐性菌を生み出すなどの副作用が起きていました。

それに対してプロバイオティクス(十分量を摂取したときに宿主に有益な効果を与える生きた微生物)の中でも歯科の領域で効果が証明されているロイテリ菌は、副作用がなく悪玉菌を減らし、妊婦やお子さんにも安心して虫歯や歯周病の予防に使用できます。

虫歯も歯周病もセルフクリーニング(歯磨き)とプロフェッショナルクリーニング(歯石とり等)が基本ですが、治療の新たなオプションとしてロイテリ菌は非常に有効な治療法であると思います。

興味のある方はぜひ小林まで

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あいうべ体操マスターコース

こんにちは。谷川歯科医院 副院長の小林一久です。

みなさんは『あいうべ体操』をご存知ですか?

あいうべ体操はみらいクリニックの院長である内科医の今井一彰先生が考案した体操で、舌の筋肉を鍛えることにより口呼吸を鼻呼吸に改善するための体操です。

今回、私はこのあいうべ体操のマスターコースに参加しました。

日々患者さんを診ている中で、口の中が乾燥している患者さんはむし歯予防や歯周病予防を指導しても改善が難しいことがあります。
また、自分の子供がぽかんと口を開けているのを見るとむし歯や歯肉炎だけでなく歯並びへの影響も気になって、なんとか閉じさせたいという気持ちになります。

そういったこともあって、あいうべ体操に興味を持って本を読んだり調べているうちにマスターコースの存在を知り、受講することに決めました。

 

マスターコース受講者は歯科医師、薬剤師、看護師など色々な業種の方が集まっていました。

薬剤師の方は「患者さんへの薬剤の無駄な処方を減らしたい」、歯科医師の方は「予防することで歯を削ることをできる限り減らしたい」、など熱い気持ちを語っていて、みんな分野は違えど同じ目標に向かっていると感じました。

今井先生自身も元々はいかに患者さんが病院に来なくて済むようするかを考えてあいうべ体操を考案したそうで、とにかく講演者、受講者ともにコースに参加しているみなさんから「予防したい」という気持ちを強く感じました。

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お子さんのむし歯予防のために②

こんにちは。谷川歯科医院 勤務医の小林志保子です。

前回、前々回とむし歯についてお話してきました(→ 『お子さんのむし歯予防のために①』、『どうやってむし歯ができるのか?』)が、今回はさらに食生活とむし歯についてお話したいと思います。

前回、むし歯のリスクファクターに食生活があるとお話しましたが、具体的にはどういうことでしょうか。

下のグラフは規則正しい食生活をする人のプラークのpHの変化と、食生活が不規則な人のプラークのpHの変化を比べたものです。

規則正しい食生活、飲み物は水かお茶
不規則な食生活、甘い飲み物も飲む

グラフの青い部分が再石灰化が起こる領域、赤い部分が脱灰が起こる領域、黄色は乳歯において脱灰が起こる危険性が高い領域です。

2つのグラフを見比べてみると違いは一目瞭然です。

下の不規則な食生活のグラフの方は脱灰がおこる頻度と時間がかなり長くなっていることが分かると思います。また、再石灰化が起こる時間が規則正しい食生活のグラフと比べて少ないことも分かります。

乳歯だと黄色い部分も脱灰が起こる危険性が高いので、さらに脱灰の量が増えます。

むし歯は脱灰に再石灰化が追い付かなくなった時にできるので、不規則な食生活ではかなりリスクが高くなるのです。

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どうやってむし歯ができるのか?

こんにちは。谷川歯科医院 勤務医の小林志保子です。

前回は大人から子供へむし歯菌がうつるので、家族全員でお口のケアをしましょうというお話をしました。(→お子さんのむし歯予防のために①

むし歯予防のお話の続きをする前に、今回はいったん『どうやってむし歯ができるのか』についてお話したいと思います。

むし歯は、歯、むし歯菌、糖分(炭水化物)、時間の4つが揃うことでできます。

歯の表面でむし歯菌が増えるとプラーク(歯垢)ができます。
このプラークのpHは普段は中性に保たれています(pH7ぐらい)。
食事などで糖(炭水化物)を摂取すると、プラーク中のむし歯菌がそれをエサにして増殖すると同時に副産物として酸を作り出すため、プラークのpHが酸性になります。
糖(炭水化物)が供給されている間はプラークのpHは酸性のままですが、飲食が終わればだ液の持つ力によって再び中性に戻ります。

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お子さんのむし歯予防のために①

こんにちは。谷川歯科医院 勤務医の小林志保子です。

少し前にテレビで、
「赤ちゃんの腸内には産まれる直前まで細菌はいない」
「産道を通って産まれてくるときにお母さんの腸内細菌をもらって産まれてくる」
という内容の番組を見て、むし歯の原因菌のことを思い出しました。

 

みなさんはむし歯の原因菌(主にミュータンス菌)がうつるという話はご存じでしょうか?

小さいお子さんを持つお母さんですと、いろいろなところでそういった情報を見たり聞いたりするかもしれません。

 

産まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはむし歯菌はいません。

ある研究グループが
【生後19か月~31か月の赤ちゃんがミュータンス菌に感染しやすい】
ということを発見し、この時期を『感染の窓』と名付けました。

この『感染の窓』の時期に赤ちゃんの口の中に多くのミュータンス菌が定着すると、成長してからも口の中のミュータンス菌の割合が多い状態になってしまいます。

そのため、特に3歳ぐらいまでの小さいお子さんへ大人のミュータンス菌をうつさないように配慮することがとても大切です。

  • スプーンやフォーク、お箸、コップなどをできるだけ共有しない
  • 一度自分の口に入れた食べ物を子供に与えない(かんで柔らかくしてからあげるなど)
  • 食べ物を冷ますときにフーフーしない
  • 子供のお口にキスをするのはできるだけ避ける

などといったことを周りの大人が配慮することで感染のリスクは減ります。

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歯ブラシを『処方』する

こんにちは。谷川歯科医院 勤務医の小林志保子です。

突然ですが、歯ブラシはどれを使っても同じだと思いますか?

確かにブラッシングのスキルがある程度高ければ、どの歯ブラシを使ってもだいたい同じように磨くことができるかもしれません。しかし、ブラッシングのスキルや歯磨きに対する意欲などはもちろん、お口の中の状態も人によってさまざまです。

つまり、どの歯ブラシを使っても同じということはなく、合う歯ブラシは人それぞれ違うということです。

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CAMBRAセミナーを受講しました

こんにちは。谷川歯科医院 勤務医の小林です。

先週末、アメリカで多くの大学が採用するう蝕(むし歯)管理法『CAMBRA』のセミナーを受講しました。

『CAMBRA(= Caries Management by Risk Assessment)』は、

「むし歯に対するリスクを評価し、その結果に基づいてむし歯を管理しましょう」

というもので、アメリカでは20年ほどの歴史がある予防法です。

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